肩関節ー腱板の筋肉について
2020/03/02
肩関節の最重要筋肉・ローテーター・カフ(腱板)についてお話します。
この4つです。
1)棘上筋(上腕の外転)
2)棘下筋(上腕の外旋)
3)小円筋(上腕の外旋)
4)肩甲下筋(上腕の内旋)
棘上筋・棘下筋・小円筋は肩甲骨の表側から上腕骨の付け根の後側(大結節といいます)についていて外旋方向に動きます(棘上筋は肩甲骨の上の方についているので外転方向に動きます)。
肩甲下筋は肩甲骨の裏側(肋骨と肩甲骨の間)から上腕骨の付け根の前側(小結節といいます)についていて内旋方向に動きます。
肩甲骨に起始し、上腕骨に停止する筋肉なので、肩関節の様々な動きを司るだけではなく、肩関節の安定性を高めるというとても大切な役割を担った筋肉です。
薄い腱が上腕骨頭を覆うように停止しているため『回旋腱板』と呼ばれることもあります。
棘下筋以外の筋肉は深層部にあることからローテーターカフは肩のインナーマッスルと呼ばれます。
肩関節は股関節とは異なり強い靭帯を持たないため可動域が広い代わりに安定性が低いという特徴を持っています。
棘上筋は関節窩(肩甲骨のくぼみ、関節になるところですね)に上腕骨頭を動的に安定させている役割を果たしているため、この筋肉に問題が生じると肩峰下腔(上腕骨頭と肩峰の間の空間ですね)における腱炎やインピンジメント(棘上筋の腱の部分が骨と骨の間にはさまってしまう傷害のこと)などを引き起こしてしまうことがあります。
そのためしばしば四十肩、五十肩、回旋腱板損傷、脱臼、投球障害肩など、肩にまつわる傷害が発症しやすい場所でもあります。
これらの傷害を予防するために一般の方は勿論、スポーツ選手(特に野球のピッチャーなど)は特に強化しておく必要があります。
日常生活動作
腕を外側に振る動作などに関与してます。
スポーツ動作
テニスのバックハンドの動作や、投球動作の終動時に腕にブレーキをかけることに貢献しています。
関連する疾患
肩関節周囲炎、投球障害肩、腱板損傷、腋窩神経麻庫
あと、これらの筋肉に覆われている肩こりなどに関与する僧帽筋が固くなり動かさなくなると、回旋腱板の筋肉が退化してしまいます。
気をつけてください。